鉄を含め金・銀・銅などの金属の「METAL」という言葉は、ギリシア語の「探す」という言葉に由来すると言われ、昔から非常に貴重なものであったことは確かです。
発祥地などは不明ですが、冶金学者(金属学者)によると、最初の鉄の発見はおそらく、鉄鉱石の鉱床地帯の森林火事で出来た鉄であろうと考えています。
これに対して歴史学者は、隕鉄が鉄の使用の始まりと考えています。
しかし、事例の少なさや純鉄に近い隕鉄を加工できたか?という点で「森林火事」説が一般的です。
昔の人が鉄を作るとき、鉄鉱石から酸素や土を取り除くのに苦労しました。
よりよい鉄を作るために、木炭を燃やし、水車による強制送風により、木炭の中の炭素を活発にさせて、鉄鉱石の中の酸素と結合させて、鉄鉱石の中の酸素を取り除きました。
水車の利用は、強力で一定の空気を得られるようになり、炉の内径を大きくすることを可能にし、炉の高さを高くすることにより、多くの鉄を生産できるようになりました。
高炉での大量生産がはじまり、鉄の生産量は飛躍的に伸びていきましたが、それにより、木炭の原料である森林資源が急速に枯渇していきました。
18世紀始めのイギリスは、年間3万トンの鉄を使用していましたが、木炭不足から2万トンの鉄を輸入。
木炭の代替品が必要となり、豊富な資源の石炭が注目されました。
しかし、石炭は中に含まれる硫黄が、鉄の性質を著しく劣化させるものでした。
いくつかの試みのうち、石炭を蒸し焼きにして硫黄を除去した石炭、すなわちコークスを使用する高炉法が生まれました。
中世まで、鉄は農具や大工道具・鍋などの日用品、そして大砲・鉄砲などの武器が主要用途でした。
その後、産業革命によるコークス高炉での量産が始まり、その強さを利用した、建築・土木・橋梁そして造船といった構造材料として鉄が使われ始めました。
1381年 | 鉄砲の発明 |
---|---|
1413年 | 鉄製大砲の発明 |
1779年 | アイアンブリッジ(鋳鉄)構造材料として使われた最初の例 |
1874年 | イーズ橋(最初の鋼橋) |
1877年 | イギリス軍艦アイリス(最初の鋼船) |
1889年 | エッフェル塔(使用錬鉄7300トン) |